【アラスカ】フェアバンクス追加記事:感動の犬ぞり体験 ☆

1月にフェアバンクスの記事を書いていたのですが、今回は追加記事です。
フェアバンクスの記事一覧

フェアバンクスへは、昨年11月から、仕事で月に数回の頻度で行っていました。私が勤めている航空会社がフェアバンクスに運行しているのは冬場のみで、3月1日が今シーズン最終のフェアバンクス便の乗務となりました。

しばらく来れなくなるので何か楽しいことをしよう!ということで、犬ぞりツアーに参加。想像以上に感動的な経験だったので紹介してみようと思います。


1. アラスカと犬ぞり

先住民の時代から、北極圏の人々の重要な移動手段として使われてきた犬ぞり。一年の大半を雪で覆われ、馬や車輪などが使えない地域では、犬ぞりは大活躍です。

Image by Clker-Free-Vector-Images from Pixabay

アラスカでも、1,000年以上も前から先住民によって犬ぞりが使われていた歴史がありますし、近代に入ってからのアラスカ開拓にも、犬ぞりは大きな役割を果たしました。

現在は、スノーモービルなどの移動手段がありますが、いまだに犬ぞりを移動手段として使っている人も多いようですし、ウインタースポーツとしての犬ぞりレースも盛んに行われているようです。

Image by Viola ‘ from Pixabay

犬ぞりレース

アラスカでは毎年、世界的に有名な犬ぞりレースの「Yukon Quest (ユーコン・クエスト)」や「Iditarod (アイディタロッド)」などが行われます。

真冬のアラスカを10日前後かけて、1,000マイル (約1,500km) を移動するレースです。
ユーコン・クエストのHP
アイディタロットのHP

2. 今回参加した犬ぞりツアー
Cotter’s Sled Dog Rides And Tours

今回参加したのは「Cotter’s Sled Dog Rides And Tours」の犬ぞりツアー。フェアバンクスの西、車で1時間程のところにあります。
HP
トリップアドバイザーのレビュー
  (トリップアドバイザーからの予約は不可)
地図

オーナーのBill Cotter さんは、アラスカに移り住んで50年。150もの犬ぞりレースに出場し、1987年のユーコン・クエスト優勝、1995年のアイディタロッド3位などの入賞記録のある、ベテランの犬ぞりおじさんです。Google やトリップアドバイザーなどの口コミも5つ星です。

フェアバンクス空港でレンタカー

今回は同僚の女の子と2人で参加。フェアバンクスからレンタカーで向かいました。SUVを借りる予定が、レンタカー会社の不手際で、このでっかいトラックしか残ってないとのこと。女子2人なのに微妙~、な感じで出発です。

空港で借りたトラック

アラスカらしい、クマのナンバープレート ♡

でも結局、高速道路を降りてからは深い雪で、逆にトラックで良かったのかも….。

『ドッグチームの横断に注意』の標識。目的地は近そうです。

Caution! Dog-team Crossing!

ツアー会場到着

ツアーの集合場所は、オーナーのビルさんのお家。こちらのワンちゃんがお出迎えしてくれました。

この人は、寒いの苦手なワンちゃんのようで、お出迎えが終わると、ずっと室内のストーブの前で寝てました。

この方たちが、犬ぞりワンちゃんたち。その数36匹!

外に小屋があるんですか !? ってビックリしたんですが、ビルさんによれば「マイナス 50℃の中、レースを一緒に走ったことがある」と言っていたので、多分大丈夫なのでしょう….。

こちらが、ご自宅兼オフィス。アラスカの美しい森に囲まれたログハウスです。

ビルさん、奥さん、息子さんの家族3人で、犬ぞりツアーを経営されているようでした。

オフィスで防寒着やお手洗いをお借りして、早速出発です。

ソリの準備

この日乗るのは、こちらのソリ。

ビルさんと奥さんに手伝ってもらいながら、ソリを引っ張ってくれる犬たちを繋いでいきます。どの犬もパワーがみなぎっていて、連れてくるのが大変です。

犬を一匹ずつ繋いでいく

こちらが、今回選んでいただいた9匹。仲良しの犬同士を選ぶのだそうです。

ソリを引いてくれる9匹の犬たち

私は、尻でもたたかれて渋々走らされてる犬もいるんじゃないかと思っていたんですが、犬たちは走りたくてたまらないみたい。残された犬たちも走りに行きたいみたいで、めっちゃ吠えたり走り回ったりしてエキサイトしていました。

犬ぞりツアー出発!

犬たちにに引かれて、ツアーがスタート。ビルさんのお家の周りの大自然を走り回ります。30分、60分、120分の3つのコースがあり、今回は2時間のコースに参加。

ちなみに私は、犬たちを近くで見たかったのと、写真やビデオも撮りたかったので、ソリの中に座って参加。

ソリの中から撮影

友人は自分で犬ぞりを操作したかったので、ビルさんのソリの後ろに追加のソリをつけてもらって、立って参加です。もちろん途中で交代などもできます。

ビルさん (前)と、友人 (後)

犬ぞりってもっと激しいスポーツなのかと思っていました。競馬のように「ハイヤー!ハイヤー!」みたいな…. 笑。だけど、実際はとても静かで平和なものだということを知りました。

犬たちはいったん走り出すと、パワフルながらも黙々と静かに走ります。ビルさんが叫んだりするわけでもないのに、ビルさん微妙なサインや重心のかけ方で、犬たちは方向や出されている指示が分かっているみたいでした。

大自然の静寂の中を、犬たちに引かれて….。なんだか瞑想でもしているような、とても平和で穏やかな気分になれたのが、とても意外で感動しました。

森の中を抜けると、この辺りは湖だそう。雪に埋もれてわかりませんけど。

湖岸….?

このモッコリしてるのは、ビーバーの家だって。

ビーバーのおうち

ビルさんは、途中で止まって休憩したり、写真を撮ってくれるんですが、犬たちは走りたくてたまらないみたい。立ち止まるたびに「早くいこうよ!」って感じで待っています。すごいエネルギーです。

休憩したくない犬たち

この日の気温は-11℃。10秒も手を外に出していると、指が凍ってしまいそうだったので、搭乗中の写真は少なめです。

根性で撮影した動画をくっつけてみましたので、もしよかったら見てみてください。
↓↓↓↓

お世話になったワンちゃんたちと記念撮影。どうもありがとう~♪

↓↓↓↓ コチラは、先頭のリードドッグ。

リードドッグ

リードドッグは、ビルさんの指示に従ってソリの方向を誘導したり、綱が弛まないようにスピードをコントロールして、チームをリードする犬です。人間よりずっと賢そうな顔をしていました。

こちらは、一番後方のかわいい2匹。似てるなーと思ったら、兄弟 (男の子と女の子) なんだそうです。

後方を守る兄弟犬

2人とも体格がいいんですが、犬ぞりは、前方に早い犬たちを、後方にパワフルな犬たちを配置するのだそうです。

どの犬も人間に良く慣れています。エキサイトして飛びついてきたりはしますが、噛んだりする様子は全くありませんでした。

3. 犬ぞりに参加する際の注意

① レンタカーと運転

レンタカーをするなら、フェアバンクス空港で借りるのが一番便利。空港のターミナルにメジャーなレンタカー会社が入っています。

アラスカ・フェアバンクス空港のレンタカー
空港のレンタカー乗り場

ダウンタウン周辺にもいくつかレンタカーできる場所があるようですが、ホテルから送迎してもらえなければ、タクシーやウーバーなどでオフィスまで向かうことになるかと思います。

運転する前には道路状況をよく調べて、ゆとりをもって目的地に着くようにプランした方がいいです。運転はゆっくり!

冬季の道路状況ですが、高速道路は雪が降ってもすぐに除雪が行われ、比較的復旧が早いです。ただ、一般道路や小道では、整備が行き届かないところもあるので、雪や氷のコンディションによっては注意が必要です。

アラスカ・フェアバンクスの道路状況
高速道路のコンディションは比較的良い

アラスカ・フェアバンクスの犬ぞり体験ツアー
一般道は除雪されていないところも

*運転が心配な方は、ホテルから送迎をしてくれる犬ぞりツアーもあるようでした。

② 防寒着

ツアー会社に事前に事前に問い合わせて、防寒着を貸してもらえるかどうか確認することをおすすめします。極寒の中、風を切って走るので、防寒着の他、顔や目を覆うようなものも用意した方がいいです。

私たちが参加したツアーは、分厚いジャケット、スキーパンツ、ブーツ、ミトンなどの防寒着は無料で貸してもらえました。

私の服装はというと、スキーに行くような恰好で行きました。ダウンジャケット、スキーパンツ、スキー手袋、ブーツ、ニット帽、ゴーグル、そしてコロナ用マスクで顔を覆う。でも現地で、さらに分厚いジャケットと、ブーツ、ミトンを借りました。

アラスカ・フェアバンクスの犬ぞり・服装
青いジャケットとブーツは借り物
友人はスキーパンツも借りた

今回は、気温-11℃の中 2時間のツアーに参加しましたが、借りたブーツと足先の間に隙間があって、1時間半くらいから足先の感覚が無くなってきました。ツアーが終わるころには、足先が死んだかと思いました。

もっと分厚いソックスを履いて、足先用カイロを持って行けばよかったなと思いました。

ちなみに、気温-11℃は、フェアバンクスの冬にしては温かい方です。-30℃になることもしばしば。

寒さが心配だったら、時間の短めのツアーにするのも良いかと思います。

4. おわりに

今回は、アラスカ・フェアバンクスの犬ぞり体験ツアーを紹介してみました。

アラスカの台地を、犬に引かれて駆け巡る貴重な体験。アラスカの美しい自然を満喫できただけでなく、過酷な寒さにも関わらず、走ることを心から楽しんでいる犬たちから、素晴らしいエネルギーをもらった気がします。

「ジェットコースターみたいなアトラクション」、くらいの軽い気持ちで参加した犬ぞりでしたが、ツアー後は、大自然と犬たちへの感謝でいっぱいになってしまい、なんだかとても感動してしまいました。

とってもおすすめですので、寒い地方に行かれることがあれば、是非体験してみてください。

あ、それから! 以前の記事では「オーロラは見えるんだけど、色の薄い微妙なのしか見れない」と言ってたのですが、2月から3月にかけては、結構な頻度で濃い緑色のオーロラが見れました。

私のスマホカメラではこれが画質の限界ですが、緑のカーテンみたいにヒラヒラしながら形を変えていって綺麗でした。

アラスカ・フェアバンクスのオーロラ
オーロラ!
画像ショボいですが….。