【エジプト】アスワン観光まとめ:ナイル川とともに生きるヌビアの人々

アスワン観光まとめ

アスワンはエジプト南部の都市。 街を流れるナイル川が美しいです。「ナイル川クルーズツアー」や、世界遺産の「アブ・シンベル神殿ツアー」などの人気のツアーの発着点としても有名で、たくさんの観光客が訪れます。

今回の記事では、アスワンへの行き方と、アスワン周辺の観光スポットを紹介しようと思います。


1. ヌビア地方

アスワンからスーダンの国境にかけての地域を「ヌビア地方」といいます。 ヌビア人はエジプト人とは少し違った風貌をしていて、文化もヌビア地方独特なので、違う国に来たような気分になります。
エジプト北部のカイロやアレクサンドリアなどの街は、アラブ系の雰囲気が強かったですが、アスワンはアフリカを思わせる雰囲気がありました。

↓↓↓ ヌビア地方(赤いサークル部分)

   

ヌビア地方にも 古代エジプト文明の貴重な遺跡が多く残っています。一番有名なものは、「アブシンベル神殿」。アスワンからたくさんの日帰りツアーが出ています。さらに、アスワンとアブ・シンベル神殿の間に残っている多くの遺跡は、「ヌビア遺跡群」としてユネスコの世界遺産に登録されています。

2. アスワンの行き方
南エジプトの移動手段

エジプト観光マップ。エジプトの主要都市と遺跡の位置。
エジプトの都市と遺跡

1. 寝台列車

カイロとエジプト南部の主要都市の間は、寝台列車「ナイルエクスプレス」が運行しています。カイロ~アスワン間の所要時間は14時間。ほとんど寝ている間に移動してくれるので、そんなに苦にはならないと思います。
☛ 寝台列車・ナイルエクスプレス

2. ナイル川クルーズ

ルクソール~アスワンの間は、3泊4日や4泊5日のナイル川クルーズが運航しています。船に宿泊しながら上エジプト(南エジプト)の遺跡を巡ることができる、人気のツアーです。
☛ ナイル川クルーズ

3. 飛行機

一番早いのは飛行機で、カイロ空港からアスワン空港までの所要時間は、約1時間30分です。

*ちなみに私たちは、カイロから寝台列車でアスワンにやってきました。アスワンのホテルに2泊して、アスワンの街とアブシンベル神殿を観光。その後は3泊4日のナイル川クルーズに参加してルクソールへ向かいました。

3. アスワンの遺跡と名所の一覧

観光名所をまとめてみました。私たちは全部は行かなかったですが、行った範囲で情報をシェアしたいと思います。

①アスワンダム、②フィラエ神殿、③フルーカ遊覧の3つは、後日参加した「ナイル川クルーズツアー」の「アスワン観光」に含まれていましたので、クルーズツアーのガイドさんに連れて行ってもらいました。

① アスワン・ハイ・ダム

不毛の砂漠地帯に位置するエジプトに、古代エジプト人が定住できるようになったのは、ナイル川の恵みがあったから。かつて ナイル下流地域では、 ナイル上流の雨季に影響を受け、毎年同じ季節にナイル川の増水・氾濫が起き、肥沃な土が大地に行き渡ったと言われています。古代エジプト人は、このナイル川の水位変化のサイクルを利用して、砂漠の地に農業を広めることができたのです。

近代になり、水力発電の目的と、ナイル川の氾濫を調整するため、ナイル上流のアスワンにダムが建設され、ナイルの氾濫はコントロールされるようになりました。(アスワン・ロウ・ダム(1901年)、アスワン・ハイ・ダム(1970年))
アスワン・ハイ・ダムの地図

アスワンダムが建設されたあとは、ナセル湖という巨大な湖が出現。川の水位が年間を通して安定したので、人々の生活も便利になり、ナイル川クルーズなどの観光産業も可能になりました。その反面、ナイルの氾濫が止まったことにより、流域の土がやせてしまったり、ナセル湖の水から発生した雲によって今まで雨が降らなかった地域に雨が降るなどの環境の変化も指摘されています。

今回行ったのは、アスワン・ハイ・ダム。当時の大統領ナセル大統領が旧ソ連の支援を受けて建設したダム。ダムのそばには、ソ連との友好とダムの完成を記念して建てられた記念塔があります。

エジプト南部のアスワン・ハイ・ダム

エジプト南部のアスワン・ハイ・ダム

アスワン・ハイ・ダム、完成記念塔

アスワン・ハイ・ダム計画当初は、ヌビア遺跡群はダムに水没してしまう運命にありました。 ユネスコが行った「ヌビア水没遺跡救済キャンペーン」 により、アブ・シンベル神殿をはじめ、10個ほどの遺跡が別の場所に移転されました。

② フィラエ神殿(イシス神殿)

もともとは、聖なる島「フィラエ島」にあったイシス神殿。アスワン・ハイ・ダムの建設で水没する運命でしたが、ユネスコの協力で、現在の「アギルキア島」に遺跡ごとごっそり移転されました。すごいですよね。。。
フィラエ神殿の地図

プトレマイオス朝時代(紀元前300年頃~)に建設され、その後、ローマ帝国によって増築された神殿なので、グレコ・ローマン時代の神殿。ピラミッドなどと比べると、ずいぶん新しい遺跡です。神殿の建築様式や装飾が「ギリシア風+エジプト風」でおもしろいです。

イシス女神を祀るイシス神殿というのがメインの建物です。

島にある神殿なので、ボートに乗って行きまーす☆

フィラエ神殿に向かうボート

イシス神殿へ向かうボート

ナイルに浮かぶ神秘的な神殿。エジプトで見た遺跡では一番美しかったかも。

ナイル沿いに浮かぶイシス神殿-フィラエ神殿

ナイル沿いに浮かぶイシス神殿-フィラエ神殿

③ フルーカ遊覧

フルーカとは、中東や地中海付近で昔から使われてきた、木製のヨットの様なもの。もともとは伝統的な移動手段だったのでしょうが、最近ではほとんどが観光客向けの遊覧船となっているようです。アスワンのナイル川沿いを歩いていると、よく「フルーカに乗って行かないか」と声をかけられます。ナイル川クルーズのパッケージでフルーカ体験が付いてきたので、乗ってみました。

アスワンのフルーカ体験
このフルーカに乗る模様

エジプト・アスワンのフルーカ遊覧
クルーズ船がたくさん停泊している川岸

エジプト・アスワンのフルーカ体験
風に任せてのんびり~

アスワンのフルーカ体験とナイルの夕日
夕暮れ時のナイル川

④ エレファンティネ島

アスワンの中心街の向いに、エレファンティネ島という島が浮かんでいます。ヌビア風の街が残っているということなので、行ってみることに。

下の写真が、エレファンティネ島行きのボート。アスワンの街中から出ています。予約は必要ないようで、行ったら乗せてくれました。対岸に見えているのがエレファンティネ島。右端の高い塔は、 “Mövenpick Resort Aswan” というリートホテル。

エレファンティネ島行きのボート

エレファンティネ島の船着き場です。

エレファンティネ島の船着場

エレファンティネ島の船着き場

特に目的地があったわけではなかったのですが、プラプラ散歩してみました。”BABA DOOl” というヌビア風のホテルがあって、ホテルで働いているおばさんに「お茶でもしていかないか」といわれたので、ちょっとお茶をして帰ってきました。いろいろ地元の話をしてくれておもしろかったです。

エレファンティネ島のヌビア村

エレファンティネ島のヌビア村

エレファンティネ島の南の方には、アスワン博物館クヌム神殿ナイロメーターなどの観光名所もあるみたいです。

⑤ スーク

スークとは、アラビア語で、地元のマーケットのこと。アスワンのスークは、「Saad Zaghloul」という通りにあります。
Saad Zaghloul 通りの地図

お土産屋さんやスパイス屋さんが並んでいました。ペットボトルの水なんかは、激安だったので、ここで買いました。

⑥⑦ その他の観光スポット

切りかけのオベリスク」や「ヌビア博物館」もよくガイドブックに紹介されています。私たちも行く予定のだったのですが、「切りかけのオベリスク」へ徒歩で向かっている途中に携帯電話を紛失するハプニングが…..。予定変更となりましたので、今回はパスでした。

4. おわりに

今回の記事では、アスワン周辺の観光スポットをシェアしてみました。

アスワンを訪れる観光客のほとんどは、「アブ・シンベル神殿見学」か、「ナイル川クルーズツアー」の参加が目的だと思います。両ツアーの詳細を見てみたい方は、下の関連記事を参考にしていただければと思います。

次回の記事では、アスワンでおすすめのレストランについて書いてみようと思います。お楽しみに☆