この城は軍事拠点としての「要塞」としてではなく、また政治や外交の拠点としての「宮殿」として建設されたものでもなく、後述のようにルートヴィヒ2世のロマンティック趣味のためだけに建設されたもので….
引用 : Wikipedia
ディズニーのお城のモデルとして知られているノイシュバンシュタイン城。世界でもっとも観光客の多いお城のひとつです。
このお城は、常軌を逸するほどに芸術に魅了された王様が、大借金をして築き上げたお城なのです。
360度どこから眺めても美しい外観といい、隅々にまで施された内部の装飾といい、彼の美へのこだわりと情熱がぎっしり詰まっています。
建物だけではなく、お城の周りをに広がるアルプスの森や湖の景色もまた、おとぎ話のような美しさ。
今回の記事では、ノイシュバンシュタイン城と、その周辺の景色をシェアしてみたいなと思います。
- メルヘン王、ルートヴィヒ2世
- ホーヘンシュヴァンガウの街
- ノイシュバンシュタイン城
- ホーエンシュヴァンガウ城
- バイエルン王博物館
- 観光レポート
- おわりに
■ 関連記事
→ 南ドイツ旅行記トップページ
→ 南ドイツ旅行の記事一覧
1. メルヘン王、ルートヴィヒ2世
「ドイツ」という言葉が国名として使われるようになったのは、1871年のドイツ帝国成立後。その頃日本は明治時代です。それ以前は、現在の南ドイツに当たる地域には、バイエルン王国という大きな大国があり、バイエルン王家の「ヴィッテルスバッハ家」が、1180年~1918年まで(738年間)この地域を治めていました。
ノイシュバンシュタイン城を築いた「ルートヴィッヒ2世」は、1845年にヴィッテルスバッハ家に生まれ、1864年にバイエルン国王に即位。ノイシュバンシュタイン城の建設は、1869年(明治初期)に始まったので、比較的新しいお城です。
幼少時代のルートヴィッヒ2世は、中世の騎士伝説や神話が大好きだったそう。国王になると、憧れていたおとぎ話の世界を現実のものにしようと、美しい宮殿や城の建築にのめり込んでいきます。
彼は、作曲家「ワーグナー」のパトロンとしてもよく知られています。騎士物語や神話を基に書かれたワーグナーの作品の虜になってしまい、自分の懐から多額の給料を与えたり、彼のために劇場を建ててあげたりと、手厚い援助で彼の作曲人生を支えたのだそうです。
彼が国王だったころのバイエル王国は、国の情勢があまり良くありませんでした。争いごとや政治が嫌いだったルートヴィッヒ2世は、次第に政治を放棄して、ますます夢の世界に没頭するようになります。芸術にお金を使いすぎて、国の経済も圧迫。最後は精神異常者として逮捕され、その後謎の死を遂げます(1886年)。
ノイシュバンシュタイン城の内部は、ルートヴィッヒ2世が大好きだった中世のおとぎ話の場面や、ワーグナーのオペラのシーンをモチーフにした絵画や装飾でいっぱい。彼が夢見たメルヘンの世界を実現したものになっています。
2. ホーヘンシュヴァンガウ観光
ノイシュバンシュタイン城は「シュヴァンガウ(Schwangau)」 という地域にあります。ドイツ語で「白鳥の里」という意味。アルプスの麓のとても美しい地域です。
*下の地図の薄いピンクで囲ってある地域がシュヴァンガウ
シュヴァンガウの中でも、実際観光するところが集まっているのは、「上シュヴァンガウ(ホーエンシュヴァンガウ:Hohenschwangau )」。お城、チケット売り場、ホテルやレストランなどがあって、「観光村」みたいになっています。
ホーヘンシュヴァンガウから西に車で5分くらいのところに、「フュッセン」という街があって、さらにホテルやレストランがたくさんあります。ホーヘンシュヴァンガウ行きのバスなども出ています。私たちも、フュッセンに宿をとりました。
実は、城は2つある!?
「ノイシュバンシュタイン城だけ観光するのかなー?」と思ってたんですが、ホーヘンシュヴァンガウでは、3つの施設に入場することができます。
- ノイシュバンシュタイン城
- ホーエンシュヴァンガウ城
- バイエルン王博物館
「ノイシュバンシュタイン城観光」というよりは、「ホーエンシュヴァンガウの街の観光の中に、ノイシュバンシュタイン城見学が含まれている」という感じです。
②のホーヘンシュヴァンガウ城は、ルートヴィッヒ2世のお父さん、マクシミリアン2世が建てた城で、ルートヴィッヒ2世が子供時代を過ごしたお城。ワーグナーの引いたピアノなども残されています。
③のバイエルン王博物館は、ヴィッテルスバッハ家出身のバイエルン王にまつわる資料や装飾品を展示してあります。
混雑を避けるため、①ノイシュバンシュタイン城と②ホーヘンシュヴァンガウ城は、時間指定の完全予約制です。当日行ってもチケット買えないかもしれませんし、ピークシーズンは完売することもあるようなので、早めに予約した方が良いと思います。
お城に入場後は、オーディオガイドが配布され、それを耳に当てながら、ガイドさんの誘導に従って見学。日本語のオーディオガイドも用意してあります。
チケットは3つ別々にも買えるし、2つ、3つ、とまとめて買うと多少お得です。チケットの予約方法は、こちらのAmazing TRIPさんのサイトがとても参考になりました。
→ ノイシュバンシュタイン城のチケット予約方法
3. 観光レポート
- 8:00 ホーヘンシュヴァンガウ到着
- 8:30 チケット引き換え
- 9:00 バスでノイシュバンシュタイン城へ
- 9:15 マリエン橋で記念撮影
- 10:15 ノイシュバンシュタイン城入場
- 12:00 昼食
- 13:00 徒歩で下山。
- 13:30 バイエルン王博物館見学
- 14:45 ホーヘンシュヴァンガウ城見学
今回は上の日程で、一日かけてゆっくりホーヘンシュヴァンガウを観光。
10:15 にノイシュバンシュタイン城、14:45 にホーヘンシュヴァンガウ城を予約しました。入場時間の1時間30分前までに、チケットセンターで本物のチケットを受けとらなければならないので、少し余裕をもって到着。
今回はレンタカーで行ったんですが、駐車場は4か所(P1~P4)あり、広いので停められなくなる心配はなさそうでした。普通車の一日の料金は7ユーロ。
こちらがチケットセンター。ここで予約しておいたチケットを受け取ります。
チケット売り場の周りは、ホテルやレストラン、馬車やバス乗り場などが集まるちょっとした街になっています。
下の写真は、馬車乗り場から見たノイシュバンシュタイン城。
こちらは、ノイシュバンシュタイン城から見たホーヘンシュヴァンガウの街。
ノイシュバンシュタイン城に行くには、①バス、②馬車、③徒歩の3つの方法があります。
バスだと5~10分。徒歩だと片道30~40分くらい。行きは坂道を上っていきますので、体力とご相談を。
私たちは、行きはバスで、帰りは徒歩にしました。料金は乗り込むときに運転手さんに払いました。一人片道2.5ユーロ。
ノイシュバンシュタイン城のフォトスポット、「マリエン橋」の到着。
ノイシュバンシュタイン城で一番良く見るこのアングルの写真は、マリエン橋から撮影できます。
マリエン橋は混むので、早朝に行くのがベストだということで、お城見学の前に行きました。9時過ぎでしたけど、すでに結構人がいました。
マリエン橋からノイシュバンシュタイン城へ向かいます。徒歩5分ぐらいです。
こちらがノイシュバンシュタイン城の入り口。電光掲示板に自分のチケットに書いてある整理番号が表示されるまで待ちます。自分の番号が表示されたら、チケットをスキャンして入場。
お城の中は撮影禁止ですので、写真無しです。
ツアーは90分くらいで終わり、お城のすぐそばにあるレストランでランチ。ここは「シュロスレストラン ノイシュヴァンスタイン ホテル」というホテルのレストラン。
軽食からドイツ料理まで豊富なセレクション。
行きはバスでしたけど、帰りは時間があったので徒歩で山を下りました。
ホーヘンシュヴァンガウ見学まで時間があったので、バイエルン王博物館を見学。博物館は、チケットさえあれば、いつでも好きな時間に見学できます。
バイエルン王博物館の傍には、アルプ湖という、美しい湖があります。
透き通った湖面がものすごくきれいでした。普通に風景を楽しみながら、サイクリングやハイキングしてる人たちもいました。
14:45から、ホーヘンシュヴァンガウ城の見学をして観光終了。こちらもお城の中は撮影禁止でした。
ノイシュバンシュタイン城の周辺「シュヴァンガウ」地区を少しドライブして、フュッセンのホテルへ戻りました。
お城も美しいですが、周りの風景も美しすぎて凄いです。
草原の中に建つ、聖コロマン教会。
4. おわりに
ルートヴィッヒ2世の、常軌を逸した美へのこだわりがつくりだした、夢の城。結局彼は、ノイシュバンシュタイン城にはほんの数か月ほどしか住むことなく、城も未完成のまま、謎の最後を遂げました。
平和な時代に生まれるてくることができたらよかったのに、少しかわいそうな気もします。
国費を浪費して建てられたお城も、今となっては、世界中から年間100万人の人が訪れ、ドイツの観光収入に大きく貢献しています。ルートヴィッヒ2世も天国で喜んでいるといいなと思います。
↓↓↓ こんなの見つけました。少し古い映画ですけど、見てみたい。
■ 南ドイツ旅行記
→ 南ドイツ旅行記トップページ
→ 南ドイツ旅行の全記事
■ フュッセンの素敵なホテル
【ドイツ】アルプスを望むフュッセンのホテル☆ハートゥングズ・ホテル・ドルフ■ ロマンティック街道
【ドイツ】ロマンティック街道とローテンブルクの街並み