シアトル発祥の地、パイオニアスクエア。
シアトルは1850年頃から、パイオニアスクエアを中心に発展しました。
1889年の「Great Seattle Fire」という大火災で、パイオニアスクエアのほとんどが焼失しましたが、当時経済成長期にあったシアトルはいち早く復旧。それまでの木造をやめて、レンガ造りの街へと生まれ変わりました。
現在でも、当時のレンガ造りの街並みを残していて、シアトルの他のエリアとは一風違った情緒ある雰囲気。オシャレなショップやカフェを巡ったり、シアトルの歴史ツアーなどを楽しむことができます。
1. パイオニア・スクエアと広場
Pioneer Square
パイオニアスクエアは、現在のシアトルダウンタウンの南端に位置するエリアです。
パイクプレースマーケットとチャイナタウンに挟まれたエリアなので、一緒に観光するのも良いかと思います。
19世紀後半~20世紀前半のレンガ造りの街並みを利用した、お洒落なカフェやショップがたくさんあります。アンティークショップやアートギャラリーなども多いです。シアトルの歴史を感じながら、ゆっくりお散歩してみると楽しいです。
Pioneer Square (パイオニア広場) という名前の付いた公園があります。三角形の小さな公園です。
→ パイオニア広場の地図
1909年にトロリーの待合所として建てられた、ビクトリア朝のパゴーラが目印。
パイオニア広場には、シアトルの市名の由来となった、シアトル酋長 (Chief Seattle) の像があります。
元々この地域には、先住民のネイティブアメリカンの人たちが暮らしていました。1850年代からヨーロッパ系開拓者の入植が始まり、先住民との対立が起こりましたが、当時この地域の部族の酋長であった「Si’ahl (シ・アール)」は、開拓者との争いの道ではなく、話し合いによって土地を明け渡す道を選んだといいます。
開拓者達は酋長に敬意を表し、この土地を彼の名前の「シ・アール」と呼ぶようになり、それが少し訛って、現在の「シアトル」となったそうです。
パイオニア広場には、ネイティブアメリカンの子孫の方々が手がけたトーテムポールも飾られています。
クリスマスシーズンだったので、シアトル酋長の傍には大きなクリスマスツリーが。
2. オクシデンタル・スクエア
Occidental Square
パイオニアスクエアのエリアには、もうひとつ「オクシデンタル・スクエア」という広場があります。
→ オクシデンタル・スクエアの地図
パイオニア広場よりも大きな広場で、こちらにもアーティストの方が手掛けたトーテムポールがを見ることができます。
なぜかピンポンテーブルや野外チェスなどが設置してあり、楽しい雰囲気 ♪
それから、オクシデンタル・スクエアには、消火活動で命を落とした消防隊員に捧げる彫刻が。1995年にシアトルで起きた火災で、4人の消防隊員が命を落としたことをきっかけに作られたメモリアルだそうです。
→ Fallen Firefighters Memorial
3. アンダーグラウンドツアー
シアトルは、1850年頃からパイオニアスクエアを中心にヨーロッパ系の開拓者の定住が始まり、林業や漁業を中心に人口が増えていきました。
1889年に「Great Seattle Fire」という大火災に見舞われ、パイオニアスクエアのほとんどが焼失。当時経済成長期にあったシアトルはいち早く復旧するとともに、それまでの木造をやめて、レンガ造りの街へと生まれ変わりました。
さらに、元々海抜が低いシアトルは、水害に悩まされていたため、従来よりも3メートル高い位置に道路や建物を建設することになりました。
地上が3メートルたかくなったことで、建物の多くは、2階部分が1階となり、1階部分は地下に忘れ去れらることとなってしまいました。
現在は、この忘れ去られた地下都市を巡る「アンダーグラウンドツアー」が、パイオニアスクエアのちょっとした観光名所となっています。
→ アンダーグラウンドツアーのHP
→ トリップアドバイザー (日本語)
4. スミスタワー
1914年にオープンしたスミスタワー。ニューヨークで成功した実業家、スミス氏とその家族によって建設された、シアトルでは一番古い高層ビルです。
→ スミスタワーのHP
→ スミスタワーの地図
完成当時のスミスタワーは、西海岸では一番高いビルでした。ビル内は540ものオフィスやショップで賑わい、人々は25セントでエレベーターに乗って35階の展望台を訪れることができたのだそうです。
2016年にリニューアルされ、現在は、一階はカフェ&ギフトショップ、博物館になっています。博物館には、スミスタワーやシアトルの歴史が展示してあります。
35階には展望台とレストランがあります。チケットはビル一階で購入できて、20ドルだったと思います。オープン当時から使われているレトロなエレベーターに乗って、35階へ!
バー&レストランは、かつて「チャイニーズ・ルーム」と呼ばれていたお部屋。スミス家は清と貿易をしていたそうなのですが、清朝末期の皇太后「西太后」からスミス家に贈られた調度品が散りばめられたお部屋だったのだとか。
現在も、ところどころに中国風のインテリアを見ることができます。
腰掛けると1年以内に結婚できるという椅子「Wishing Chair」が名物です。こちらも西太后からの贈り物だそうです。
レストランの外周は展望台。ビルの周りを歩きながら、シアトルダウンタウンを360度眺めることができます。
もはやシアトルで一番高い展望台ではなくなってしまいましたが、この少し低い位置から見るシアトルダウンタウンもまた、いい感じですよ ♪
19世紀のシアトルにタイムスリップしたような気分になるスミスタワー。地味な名所ですが、結構オススメです。
5. おわりに
今回の記事では、シアトル発祥の地、パイオニアスクエアを紹介してみました。
大火災から復興したシアトルは、1896年からカナダで始まったクロンダイク・ゴールドラッシュの中継点としてさらに成長、戦時中はボーイングを始めとした軍需産業、そして近年はマイクロソフトやアマゾンなどのIT産業、スターバックスなどの世界的な企業の拠点となりながら成長を続けています。
近代的なダウンタウンの一角に、19世紀のレトロなシアトルを垣間見ることができるパイオニアスクエア。比較的小さなエリアですが、観光の合間にぜひ立ち寄ってみてください ☆
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